感情システムに打ち勝つには自己認識
最近コロナウィルスの問題で電車の中でケンカになったり、ドイツではサッカーの試合で日本人という理由だけで場外に追い出されたなどという事件が起きています。
人間の脳に「理性システム」と「感情システム」の2つが存在することがこういう問題を引き起こしていると考えられます。
理性システムとは
通常は前頭前皮質にある「理性システム」によって合理的判断がなされていますが、ストレスが高まっていたり、冷静さを失うと「感情システム」によって支配されてしまいます。
感情システムとは
感情システムは、人の脳の最も古い部分にあり、大脳辺縁系の扁桃体によってつかさどられています。ここが「生存の危機」と感知すると扁桃体が警告を発して本能的行動が起こることになります。
これが「闘争ー逃走」反応と呼ばれるものです。これは生物学的に起こるため、理性システムの防御を破って、感情的な行動に駆り立てられてしまうのです。
「感情のハイジャック」が起こるメカニズム
心理学者のリチャード・デイヴィッドソンという人が、この「感情のハイジャック」が起こるメカニズムを解明しており、ストレスに強い人は、理性システムのある前頭前皮質が大脳辺縁系に勝利するが、ストレスに負けやすい人、すぐに感情的になる人は、扁桃体の活動が活発になって理性システムを押さえ込んでしまうことが分かっています。
感情システムからコントロールを取り戻す方法
この感情システムからコントロールを取り戻す方法について、米国の作家ショーン・エイカーは彼の著書の中で「ゾロ・サークル」という考え方を提唱しています。
- これはまず第1段階として、自分がそういう感情を持っていると認識する「自己認識」をすること。
- 次に、自分がコントロールできることと、できないことを見極めること。
- そして第3段階として、自分がコントロールできるところにエネルギーを集中できるようにすること。
- さらにいきなり難しいことには取り組まず、比較的簡単にできることから一つずつ取り組むこと。
これによって、「コントロール感覚」を学習することができ、「内的統制感」が高まります。
「自己認識」から始めてみませんか
いかがでしょうか?
まずは小さな成功の積み重ねです。
こういう非常時だからこそ、「自己認識」から始めてみませんか。