従業員満足度とエンゲージメントの違い
先日、日本企業で管理職の方から、従業員満足度とエンゲージメントの違いについての相談を受けましたので、今回はその話をしたいと思います。
偏差値の結果とパフォーマンス(業績)が一致していないことに危機感
その会社では、社内でエンゲージメント調査をしていて、その結果が偏差値として出てくるのですが、どうもその結果とパフォーマンス(業績)が一致していないようで、これをこのまま鵜呑みにすることに危機感を持っているとのことでした。
その方によると、ある組織は偏差値上高いのだが、実際そのチームの業績は芳しくなく、またメンバーを見てもあまりぱっとしないとのことで、ただ経営陣はこの数値を重視するため無下にもできず、とてもモヤモヤとしているとのことでした。
満足度とエンゲージメントの違いを理解して分析
実際、様々な企業がエンゲージメント調査のサービスを提供していますが、その多くは満足度に関わる質問とエンゲージメントに関わる質問を混在させて実施しており、それらが混ざったまま分析をしても意味のある洞察は得られません。
満足度とエンゲージメントの違いを理解し、この2つを分けて分析をしないと意味がないのです。
満足度は必要条件、エンゲージメントは十分条件
様々な研究で明らかになっていることは、エンゲージメントは感情的要因に基づくものでパフォーマンスとの相関が確認されています。
一方で、満足度は衛生要因であり、またその多くは制度や報酬などの合理的要因に基づくものです。これらは、不足するとパフォーマンス上問題が起きますが、一定以上になると、それ以上高めてもパフォーマンスへの影響はほとんどなくなります。
満足度は必要条件、エンゲージメントは十分条件という言い方もできるかもしれません。
満足度とエンゲージメントを区別して実施・分析することが重要
以上より、組織の生産性やパフォーマンスを高めるために従業員調査をするのであれば、満足度とエンゲージメントを区別して実施・分析することが重要です。